2013年1月17日木曜日

TC9256の他周波数への応用

プログラムを他周波数へ応用する場合の要点。

1.PLL ICへのコマンド(Main)
 PLL制御範囲、基準周波数(Step)、TC9256の基準クロック(水晶発振子の周波数)を設定しなければならない。Stepは、PLLループ時間、CN(キャリアノイズ)などに影響するので特に注意。他の条件で使う時は、TC9256データシートを参照されたい。
 
 Pll_cmd     b7、b6、b5、b4、b3、b2、b1、b0
  基準周波数(Step) 5khz   b7、b6、b5、b4=0、1、1、0
              10khz   b7、b6、b5、b4=0、1、0、1
            12.5khz   b7、b6、b5、b4=1、1、0、1
            25khz     b7、b6、b5、b4=0、0、1、1
  分周方式設定 パルススワロー方式 HF(1-40Mhz) b3、b2=0、1
                        FML(30-150Mhz) b3、b2=1、0
  水晶発振子 b1、b0
            4.5Mhz   b1、b0=1、0
            7.2Mhz   b1、b0=0、1
  例1.基準周波数 5khz、HF(1-40Mhz範囲内)、水晶発振子 4.5Mhz
   Pll_cmd=&B01100110
  例2.基準周波数 10khz、FML(30-150Mhz範囲内)、水晶発振子 4.5Mhz
   Pll_cmd=&B01011010

2.メモリーチャンネル(Main)
 VFOチャンネル(0及び1)以外に、メモリーチャンネル(1ch)がある。メモリーチャンネルはプログラムした値であり、ソースコードを書替ない限り、変更できない。EEPメモリーの初期化を行ってない為、VFO初期値として有用である。

 Frq_man=(送信周波数-IF周波数)/基準周波数
  IF周波数は、プリミックス方式の時、混合周波数の意味。
 例1.送信周波数 50.6Mhz、IF周波数 10.7Mhz、基準周波数 5khz
  Frq_man=7980           ’(50.6Mhz-10.7Mhz)/5khz
 例2.送信周波数 28.315Mhz、IF周波数 455khz、基準周波数 5khz
  Frq_man=5572           ’(28.315Mhz-455khz)/5khz

3.VFO範囲の制限(Enc_sub)
 目的周波数以外の帯域への制限をすべきである。この為の範囲設定を行う。

 例. 下限周波数 50.1Mhz、IF周波数 10.7Mhz、基準周波数 5khz
  If Pll_dat <= 7880 Then  ’(50.1Mhz-10.7Mhz)/5khz
   Pll_dat = 7881         ’50.105Mhzを下限周波数に設定
   End If
 例. 上限周波数 50.9Mhz、IF周波数 10.7Mhz、基準周波数 5khz
  If Pll_dat >= 8040 Then  ’(50.9Mhz-10.7Mhz)/5khz
   Pll_dat = 8039         ’50.895Mhzを上限周波数に設定
   End If

4.表示データの修正(Lcd_sub)
 
 PLL周波数計算
  例1.基準周波数 5khz
   Frq_wrk=Pll_dat*5
  例2.基準周波数 10khz
   Frq_wrk=Pll_dat*10
 表示周波数計算
  例1.IF周波数 455khz
   frq_wrk=Frq_wrk+455
  例2.IF周波数 10.7Mhz
   frq_wrk=Frq_wrk+10700
 LCD表示部
  LCDに表示する為の書式を設定する。
   例.メガ表示2桁.キロ表示3桁
    Dsp_frq=Format(dsp_frq,”00.000”)